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プロフィール

山梨が好きなのに、とっさには山梨の
良さを言えなくて、少々焦る甲府在住
の人間です。
山梨に関する事、甲府に関する事を
調べてレポートしてゆきます。
そうした中で、山梨の魅力を見つけ伝
える事が出来れば、と、考えています。
 ジャンルは? ....いろいろデス☆


     

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百万年を辿る旅

2016.10.17 11:49  投稿者:ぶどうおばさん

2016県民コミュニティカレッジ「八ヶ岳百万年の大地形成史を辿る旅」が15日に行われました。毎年大人気のこのバスツアーは抽選で当たった幸運な80名がバス2台に分乗して、県立大学の輿水教授同行のもと山梨県の大地形成においてポイントとなった場所を訪れるという地質観察会です。バスツアーの前週には座学
「八ヶ岳・茅が岳山麓一帯の見どころ」が行われ、
     ナウマン博士とフォッサマグナの発想
     大陸移動説以降、プレートテクニクス説が確立した過程
     最近(20世紀後半~)の科学の進歩による形成史の解釈の変化
等についての講義がありました。

観察会バスツアーの日程は
   甲府駅
    ↓
   野辺山高原しし岩展望台
    ↓
   三分一湧水
    ↓
   昼食
    ↓
   七里岩・屏風岩
    ↓
   桐沢の断層
    ↓
   道の駅 にらさき
    ↓
   黒富士火砕流を車中から見学
    ↓
   銀河鉄道展望台
    ↓
   明野サンフラワー公園
    ↓
   甲府駅


 野辺山高原平沢峠しし岩展望台
     明治時代ドイツ人地質学者のナウマン博士はここ平沢峠でフォッサ
     マグナ(大きな溝)を発想しました。八ヶ岳と南アルプス3000
     m級の山々が壁のようにそびえ立つ手前にある幅広い低地を見て
     そこが日本の中央を縦に走る溝状の地帯だと考え命名したとのこと
     です。糸魚川~松本盆地~富士川西方~静岡へと続く糸魚川ー静岡構
     造線約250kmの断層は、最近の研究では幅の東側は境界が曖昧
     で、西側の縁は平沢峠から見える景色がその一部との事です。
     折しも天気は快晴。八ヶ岳は中央に最高峰の赤岳、右に横岳・硫黄岳
     左に牛首山・旭岳・権現岳がくっきり見えます。南側には南アルプス
     連峰(鋸岳・甲斐駒ケ岳・鳳凰三山)が見渡せます。
     約130万年前に噴火によって形成され始めた八ヶ岳、100万年前
     にプレート(太平洋,フィリピン,ユーラシア)に押されせり上がる形
     で形成された南アルプスを一望に眺められる場所です。
     しし岩はゴツゴツした黒っぽい溶岩でできていますがこれは八ヶ岳で
     はなく近くの飯盛山から飛んできた溶岩だそうです。

 三分一湧水 (さんぶいちゆうすい)
     八ヶ岳に降った雨や雪は溶岩に浸み込み、下層の泥質層との境目から
     地表に湧き出し湧水群を作っていますがその1つが三分一湧水です。
     農耕や生活用水として人々が使う貴重な水なので、集落に均等に振り
     分けられるよう三つに分岐させたのが名前の由来とのことです。
     透明な水はこんこんと湧き続け「日本名水百選」に選ばれています。

 七里岩・屏風岩
     約20万年前に八ヶ岳は大規模に崩壊し岩屑(がんせつ)なだれと
     して流れ下り岩や土砂を堆積させました。 その堆積物を釜無川が
     浸食し、残った崖が七里岩と呼ばれています。遠景では幾つもの屏風
     が立つような形状、近くで見ると泥の中に大小の石や岩が埋まってい
     ます。七里の長さと言われますが、南の先端は地下にもぐり甲府盆地
     の中央にも痕跡が見られるので実際にはもっと長いと思われるとの事
     です。

 桐沢の断層  (韮崎市)
     糸魚川ー静岡構造線の南部部分を構成する下円井断層の一部で桐沢に
     あります。
     右側の礫層は北米プレート(一万年前)、左側の花崗岩はユーラシア
     プレート(一千万年前)で、新しい地層に古い地層が乗り上げている
     逆断層です。道路からここまでは道なき道を踏み分けて川岸に降り立
     つといった状況で、講師の方々の先導がなければたどり着けない場所
     でした。

 黒富士火砕流
     茅が岳と昇仙峡の間にある黒富士火山を構成するもので、御岳町・
     金桜神社付近・甲府盆地北西部に分布。火砕流の活動年代は100万
     年前頃だそうです。
     北側から見た形が富士山に似ている事から逆光で暗く黒く見える富士
     として黒富士と呼ばれるようになったようです。火砕流は見た目には
     白黄色っぽい岩の集まりです。

 明野サンフラワー公園
     ヒマワリ公園(花は既に終了)は茅が岳の麓近くにあります。
     北側には八ヶ岳が見え、そこから岩屑なだれが流れ下った緩やかな
     斜面は西側に見える南アルプスを背に七里岩として続いています。
     七里岩に点在する流れ山(径200~300mの巨大な岩塊からなる
     円頂丘。新府城はこの丘の一つに造られました)の輪郭もはっきり
     見ることが出来ます。眼前に広がる七里岩と南アルプスの山体の間に
     プレートの境界が走っていると聞くと、地質形成を観る上で随分貴重
     な地点なのだと認識を新たにしました。

    

私達が見ている山や大地は変わらずそこに在りますが、その形成史を解釈するやり方が科学の進歩と共に変わってきて新たな展開・新たな理解のし方が出て来ている事を学びました。
また、新たな展開は地質学者の方々がボーリングや現地調査を地道に積み重ねて来られた結果の上にあることも理解しました。地学・地質観察は固定した過去の考えを踏襲するのではなく、流動的に現在を取り入れて未来をも見据える学問だと改めて気付かされます。
様々な発見や楽しみがあり興味は深まる一方です。参加者の矢継ぎ早の質問にも気さくに答えて皆に説明して下さった輿水教授と小村文化財保護指導委員、そしてスタッフの方々、ツアーを企画された大学コンソーシアムやまなしに、心から感謝申し上げます。


   (1枚目の写真 平沢峠からの眺望
            ナウマン博士がフォッサマグナを発想するきっかけ
            となった八ヶ岳と手前の低地)
   (2枚目の写真 三分一湧水)
   (3枚目の写真 桐沢の断層
            断層の境界線は右上から左下にかけて斜めに見えて
            います)
            
                2016年10月15日撮影
            
            
   
  


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