インバウンド観光の本
2008.12.15 21:33 投稿者:ぶどうおばさん
インバウンド講座が始まった初期の頃頂いた
「地域におけるインバウンド観光マーケティング戦略」研究代表者:溝尾良隆
を、読んだ。斜め読みした箇所もあるが、ほぼ読んだと言える。
専門的な部分は、解らないことも多いが、一番印象に残ったのは、
インバウンド観光の目標は「顧客満足度の最大化」を通して
地域への経済波及効果を拡大していくことにある。
という文だった。
外国人観光客の誘致の目的の第1は、日本のその地域が経済的に潤う事ではなく、
満足してもらい日本に好印象を持ってもらうことだ、といった内容の記述は、ところ
どころに出て来る。
外国人観光客の来日=日本のもうけ
のような図式を単純に描いていた私にとって、こういう視点は ”目からウロコ” 的
な衝撃だ。
以下の文も印象的な部分だったので、原文をそのまま載せさせて頂く。
(外国人観光客は)
「目に見えない商品」を購入するが、その商品の中身を確かめることが
できるのは、実際に旅行目的地を訪問したときでしかない。
従って、事前に得た情報に基づいて思い描くイメージや期待と、実際に
訪れたときの印象との落差が大きければ大きいほど旅行への満足度は低
くなる。
国際旅行においては、訪問地に対する事前の情報が乏しいためイメージ
に依存する部分が大きいこと、購入費用(旅行費用)が比較的高いこと、
海外旅行は通常頻繁な経験でないことなどから、国内旅行に比べて期待感
が大きいため、失望感はより増幅されやすい。
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せっかく苦労して誘致したにもかかわらず、悪い印象を与えて帰ってもら
ったのでは、旅行者にとっては二度と行きたくない国•地域になってしまう
可能性があり、ひいてはインターネット時代の「口コミ」を通じて悪い評価
が広がり、潜在的な顧客を失う結果にもなることを忘れてはならない。
「観光」は、日本を良くも悪くも見せる諸刃の剣のようなものだと思う。
価格競争の結果 ”安いけれど悪い” ツアーを販売し不評を買う一方、高価格でも高
品質•高付加価値のツアーで顧客の満足を図る流れがあると本に記されている。
(これは講座の中で度々お聞きした言葉でもある。)
受け入れる日本の側の、設備面での問題、言語の問題、国際観光に関する啓蒙等、課題
は山積みのようで、インバウンド観光においては、地方単位ではまだ諸についたばかり
の段階らしい、という印象を受けた。
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コメント
案内標識の表記方法を統一することが大切、という内容は、このブログで述べている本に書かれていた事項です。また、イラスト的なデザインを用いる場合は、国際的にも一般的にも通用するものを採用することが重要だ、とも書かれています。同一地域内においても統一されていない場合も多いのが実態のようで(Gayaさんが見聞されたことのように)、これでは外国人観光客にとっては紛らわしいことでしょうね。こういう設備的な面でも、まだまだ改善の余地があるらしいので、国際観光に力を入れることが何故必要なのかを人々に啓蒙することと同時に、一歩ずつ進んで行くと良いと思います。(本の受け売りですが。)
ずっと昔、中央高速の下りで笹子トンネルを出たあたりの標識に「Hi River」とあって、最初は、「ハイリバー」てどこの川かピンとこなかった経験あります。
JNTOの山梨紹介に、Mt.Fuji と Mt.Minobu-sanがあります。富士山は別格として、日本古来の伝統的名称に英語表現の統一性があるとよいですね。